新500円硬貨の発行!市場に与える影響は?

2022年4月28日
新500円硬貨の発行!市場に与える影響は?

新500円硬貨を実際に見たり、手に取ったりしたことはありますか。

2021年11月、約20年ぶりに500円硬貨が改鋳されました。貨幣の改刷・改鋳はおよそ20年ごとに行われていますが、大きな目的は偽造防止効果を狙ったものです。新500円硬貨も同様の目的で発行されましたが、キャッシュレス化が進み、硬貨の使用頻度が減っていることもあり、対応できる機器はあまり増えていません。2024年には新紙幣の発行も予定されており、機器の改修は必須と言えます。今回は新500円硬貨誕生の経緯と各種機器の対応状況を見ていきましょう。

新500円硬貨、見たことありますか?

財務省は国民が安心してお金を使用できるように、これまでも偽造防止の観点からおおむね20年ごとに紙幣の改刷、硬貨の改鋳を行っています。ここでは、新500円硬貨の概要について見ていきましょう。

新500円硬貨が発行された理由

2021年11月1日、3代目となる新500円硬貨が発行されました。500円硬貨の歴史を遡ると、初代は1982年、現在多く出回っている2代目は2000年に発行されています。初代500円硬貨が発行される以前は、500円紙幣が流通していました。警察庁の資料によると、2017年には530枚だった偽造500円硬貨の発見枚数が年々増え続け、2021年には1,145枚になっています。このように貨幣の偽造は年々増えていくため、貨幣の信用を無くさないように、およそ20年ごとに貨幣の偽造防止技術やデザインを一新しているのです。今回発行された新500円硬貨は2021年で2億枚、2022年には3.65億枚の発行が見込まれています。

【出典】偽造通貨の発見枚数

新500円硬貨と旧500円硬貨の違い

新500円硬貨と旧500円硬貨で大きさは同じですが、いくつかの違いがあります。

大きな違いは、重さ・素材・デザインの3つです。重さは従来より0.1g重い7.1gになりました。旧硬貨ではニッケル黄銅のみだった素材が、新硬貨ではニッケル黄銅、白銅、銅の3種類が用いられています。最も大きな違いとなるデザインでは、「クラッド技術」でサンドイッチ状に2種類の板を挟み込んだ円盤を、別の金属にはめ込む「バイカラー技術」が用いられている見た目にも美しい2色使いです。また、側面のギザにも通常貨幣への導入は世界で初めてとなる特徴があり、上下左右の4か所は他のギザと異なる形状が使われています。

新500円硬貨導入によって期待される効果

旧500円硬貨にも使用されてきた500の文字の中にある潜像、貨幣模様の中央部に施された微細な穴加工、表面に施された扇状の微細な線模様などの偽造防止効果は、精度を上げて新500円硬貨にも搭載されました。最新技術が用いられた新500円硬貨は模倣されにくいため、より高い偽造防止効果が期待されています。

キャッシュレス時代の硬貨

2020年1月の経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」によると、日本のキャッシュレス決済比率はおよそ20%と未だ低い水準であり、2025年までに4割、将来的には8割の利用率を目指しています。ゆくゆくは小銭の需要が減っていくとは言え、なくなることはありません。特に500円硬貨は500円玉貯金として貯めている人も多く、需要があると言えるでしょう。

また、医療費、駐車場、自動販売機、個人経営のお店、学校関連の支払いなど、完全にはキャッシュレス対応ができていないため現金が必要な場面も多々あります。

【出典】キャッシュレスの現状及び意義

新硬貨の導入で影響を受けるのは?

偽造防止効果が期待される新500円硬貨ですが、対応していない場面が多く浸透するには時間がかかりそうです。

新500円硬貨の影響を受ける場面

対面での支払いなら問題ありませんが、機械を通す場合は硬貨選別機によってどの硬貨かを判別されるため、新500円硬貨に対応した機械でないと利用できません。主に、飲料などの自動販売機、食券の券売機、両替機、駐車場、ゲームセンターのゲーム、鉄道の券売機、バスの運賃箱などが影響を受けています。

鉄道業界の対応について

JR東日本の券売機では一部の多機能券売機を除いた全ての券売機で新500円硬貨に対応している一方、東急電鉄や東京メトロでは駅の機器のうち少なくとも1台を新500円硬貨対応に改修するにとどまっており、各社で対応が分かれています。機器の改修にコストがかかるため、すぐに全ての券売機を対応させるのが難しい状況です。

バス業界の対応について

バス会社の運賃箱も各社対応が分かれています。京浜急行バスでは東京地区・神奈川地区を運航する均一区間の一般路線バスや高速・空港リムジンバスで新500円硬貨が使えるものの、自動券売機や対キロ区間の一般路線バスでは利用できません。一方、小田急バス、JRバス関東、臨港バス、西武バス、国際興業バスなど多くのバス会社は新500円硬貨は利用できず、機器の改修は今後の新500円硬貨の流通や2024年に予定されている新紙幣発行状況を見てからの対応としています。

自動販売機や券売機の対応について

小売店が管理する自動販売機や食券の券売機は、新500円硬貨に対応していないところがほとんどです。もともとコロナ禍で売上が落ち込んでいたところに、機器改修のためにコストをかけられないため、対応までには時間がかかると見られています。

2024年には新紙幣も運用開始

2024年には20年ぶりとなる新紙幣が流通する予定です。新紙幣になるのは1万円札・5千円札・千円札の3種類全てで、それらに対応する機器が必要になります。機器が新紙幣に対応していないと利用できずに諦める人が出てくるため、機会損失につながります。また、未対応機器へのフォローとして人員配置が必要になるなど、余計なコストがかかる可能性も否定できません。

前回の紙幣改刷

1999年以降、偽造紙幣が急増したことが原因で2004年の改刷は急ピッチで準備が進められました。改刷が公表されたのが2002年8月だったので、実際の発行まで2年3ヶ月しかありませんでした。そのため、新紙幣の発行時には自動販売機は半数しか対応できておらず社会的混乱を招いています。

2024年の新紙幣発行に向けて

2024年の改刷では同じようなことが起こらないように、準備期間は製造準備に2年半、その後のシステム開発や入れ替えの市中準備に2年半の合計5年を設けています。しかし、対応すべき機器は新500円硬貨導入で影響を受けているもののほか、各銀行ATMやコンビニATMなども含まれるため、早めの対応が必要と言えるでしょう。

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すでに流通している新500円硬貨を始め、2024年には3種類の新紙幣が発行される予定です。人が対応している場合は問題ありませんが、自動販売機やATMなどの機械は貨幣が変わることで機器を改修・変更する必要があります。対応しなければならない機器を抱える業種は多岐にわたり、先に発行された新500円硬貨に対応するための改修が済んでいる機械は業界や会社ごとに異なっているのが実状です。新紙幣が発行されれば全ての機械を改修・交換する必要があり、早めの対応は必須と言えます。機器の改修の際は全国どこでも、24時間365日サービス提供が可能なギグワークスアドバリューを活用してはいかがでしょうか。