前倒し待ったなし!いつから始めるGIGAスクール構想の実現

2020年8月5日
前倒し待ったなし!いつから始めるGIGAスクール構想の実現

新型コロナ流行により今年の春、全国の学校は長期間の休校を余儀なくされました。今後も断続的な休校が見込まれるため、GIGAスクール構想と呼ばれるICT(情報通信技術)を活用した教育スタイルの前倒し実施が急がれています。開校できない状態が続く中でも、教育を途切れさせることなく継続でき、子どもたちの教育の機会を守り、学力の低下を抑えることが期待できるためです。

しかしながら、GIGAスクール構想の実現は、適切なLAM環境の整備や、端末の準備、システムの導入やそれに対する習熟など、多くの課題を抱えていることも事実です。

GIGAスクール導入までの課題を探り、いつからどのようにして導入するかを検討しましょう。

GIGAスクール構想とは

新しい教育スタイルとして注目されているGIGAスクール構想ですが、こちらは2019年12月に文部科学省が打ち出したSociety 5.0時代を生きる子ども達のための、ICTを活用した教育スタイルです。その構想の目的と、実現することで得られるメリットについて触れていきましょう。

「GIGAスクール構想」その目的は?

GIGAスクール構想の「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」の略で、直訳すると「全ての人のためのグローバルで革新的な入り口」を意味します。具体的には、小中学生の子どもたち1人1人にパソコンを、全国の学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、「全ての子どもたちが自分の特性に適した創造性を育む教育を実現すること」が一番の目的です。

ICTを教育現場に導入するメリット

ICTとは通信技術を通したコミュニーケーションを指します。今まで、口頭や書面でやり取りしていた様々な授業や校務を、オンラインで行なうことを可能にする技術です。ICT導入の様々なメリットを簡単にまとめると以下のようなものがあります。

■個々の端末で学習の習熟状態が把握できるため、生徒1人1人の能力に合わせた指導が可能
■各教科への補助的役割(調べもの、リアルタイムの採点、集計など)への期待
■様々な理由で登校できない生徒に対する教育機会の提供
■校務のシステム化で教職員の業務負担を軽減

教職員や保護者が抱える不安

GIGAスクール構想の実施はメリットばかりのようですが、懸念される課題もあります。なにかと問題にあがるSNSなどのネットの危険性やセキュリティ対策、勉強と遊びの区別があいまいになること、端末を破損させた場合の修理費など様々な不安が存在します。

子どもたちは、端末を与えられるだけでなくITリテラシーも合わせて学ぶ必要があるでしょう。

【関連記事】「GIGAスクール構想とは?知っておきたい意味と実現すべき理由を解説」

新型コロナウイルスによる前倒し実施

本来GIGAスクール構想は2023年の達成を目標とし、2020年より4年かけて行なわれるはずの施策でした。しかし現在の新型コロナ流行により、急きょオンライン授業の必要性が出てきたため、2020年度中の完了を目指し、前倒しで実施が行なわれることとなったのです。

前倒し実施する目的

新型コロナの流行はいつ収まるかわからないため、今後も断続的に休校になる可能性があります。そうしたなか、授業の遅延や子どもたちの学力低下を防ぐためにも、遠隔で行なうことができるオンライン授業の整備は非常に重要です。場所を問わず受けられるオンライン授業は、子どもたちの教育の機会の喪失を防ぎ、コロナ流行の下でも進級や進学をスムーズに進めるために役立つことが期待されます。

前倒し実施による弊害

教育現場は完全な準備不足のなか、オンライン授業を求められています。授業の進め方以前に、各家庭のネットワーク状況、端末不足などでクラス全員がオンライン授業にきちんと参加ができるかがそもそもの問題となり、導入に至っていない学校も多いことでしょう。
さらに、導入が可能な学校とそうではない学校との、授業の進み具合に差が出ることも懸念されています。

実現のためにすべきこと

GIGAスクール構想の実現のためには、ネットワーク環境の整備、端末の準備、システムの構築や、ICT活用のための技術習得など様々な準備が必要となります。実現のための準備について、よく確認しておきましょう。

10Gネットワーク対応校内LANの整備

今後は動画教材を使った授業や遠隔授業なども増えることが見込まれているため、10Gネットワーク(10GBASE-T)の基準を満たすより高速なネットワークが求められます。

多くの生徒が同時に校内のどこからでも、校内LANに問題なく接続できる環境を整えることが望ましいです。また、統廃合や移転の予定がある学校などは、携帯電話用の通信回線規格を利用した導入も検討しましょう。

学習者用端末の配備

文部科学省は学習者用PCの標準的な仕様を公開しています。カメラ機能(インカメラ・アウトカメラ)があること、LTE通信に対応していること、CPUやストレージ及び画面のサイズやキーボードの接続方法など様々な規定があります。これはあくまで参考とされていますが、ストレスなく授業を行なう上で、ある程度の性能は必須と言えます。

学習と校務のクラウド化

校内LAM環境の整備や生徒のための端末の配備はハード面での準備でしたが、それを動かすためにはソフト面での準備も必要となります。クラウド型の学習ツールは当然ですが、校務を効率化する統合型校務支援システムの導入やセキュリティ対策も合わせて行ないましょう。

ICT活用への理解

さらに、一歩進んで準備しておきたいことは、ICT活用に対する教職員の理解です。導入時は新システムの習熟や書類のデータ化など一時は負担が増えるでしょう。しかしICTを上手に活用できれば、学習指導の管理や校務の負担を大きく減らすることができるツールであるため、教職員が積極的に活用する土壌を作って行きたいところです。

ギグワークスアドバリューの実施サポート

ハードとソフトの両面からの総合的な実施サポートが受けられるため、生徒への指導や校務などの負担が多い教職員の手を煩わせることなくスムーズなGIGAスクール構想の実施が行なえます。

「GIGAスクール対応パッケージ」

ICT化トータルサポート

GIGAスクール実施に必要な ICT化対応、校内ネットワーク構築のための様々な工事を一括してお任せ可能です。手間のかかるソフトのインストールやシステムの構築、周辺機器の設置、生徒へ配布する端末機器の手配などICT化対応の全てを委託することができます。そのまま使える状態までセットアップしてもらえるため、教職員の負担を大きく軽減できるでしょう。

ICT教育サポート

教職員に対するICT化の説明会や講習会の実施、使用方法などの質問ができるヘルプデスクなど、GIGAスクールを運用していく上での、問題や悩みなどへのサポートを継続して受けられます。保守サポートもついているので、トラブルが起こった時の対応も安心です。

いつから?今から!

GIGAスクール構想への流れは、もう止まることはありません。しかし、具体的にどのように導入していくかは置き去りの状態です。初期工事から端末の用意、ソフトの選択からシステムのセットアップなど準備すべき事柄は非常に多く、専門知識を持たない教職員が対応するのは難しいでしょう。こういった、教職員の負担を減らすためにも、導入に関わる全てを一括して任せることができる業者の選定が必要です。また、現在そうした導入サービスを提供する会社も増えつつあります。

GIGAスクール構想は導入が最終目的ではありません。本来の目的である「全ての子どもたちが自分の特性に適した創造性を育む教育を実現すること」のためにも、迅速で効果的な運用ができる手段を模索していきましょう。