どうする?時間外労働の2024年問題|原因と解決策を紹介

2023年8月24日
<strong>どうする?時間外労働の2024年問題|原因と解決策を紹介</strong>

2019年4月の法改正に伴って労働時間の上限が規制され、違反した企業には罰則が科せられるようになりました。
一部の業種では労働時間の上限規制の猶予期間が与えられていましたが、その期間は2024年3月末までとなっており、以降は適用されるようになっています。
本記事では2024年から適用される運送・物流業界の労働時間の上限規制についてみていきましょう。

「時間外労働の上限規制」とは?

そもそも時間外労働とは、法定労働時間を超えた労働のことで、いわゆる残業のことです。

以前は、この特別条項付きの36協定の届出をしていれば上限なく時間外労働をさせられる状態でした。

しかし、働き方改革関連法の施行により、特別条項にも上限が設けられ、限度時間を超える残業をさせることができなくなりました。

ただし、36協定には繁忙期などで臨時的に、どうしても多く労働させなければならない場合については「月45時間・1年360時間」を超える時間外労働を認める「特別条項」を設けています。

これが今回の働き方改革で改正の対象となり、「特別条項」にも罰則が設けられました。

働き方改革による時間外労働の上限規制の目的と背景

この特別条項が法の抜け道となり、労働者を上限なく働かせることができたため、長時間労働による過労死などの労災認定が増加しました。労働者の心身の健康を守るため、超えてはならない残業時間の上限が罰則付きで設けられたのです。

運送・物流業界における2024年問題

これまで運送・物流業界においては猶予されていましたが、2024年4月から、時間外労働に対して罰則付きの上限規制が設けられます。
上限規制が適用されることで、時間外労働時間が年間960時間に制限されます。
具体的にどうなるのかというと、トラックドライバーの労働時間が減ることで、モノが運べなくなるなど深刻な人員不足に陥る可能性があります。
新たな法規制に対応するには、労働環境の抜本的な変革が必要です。

年間960時間の上限に違反した場合の罰則

2024年4月以降、上限規制が適用されるようになってから、960時間を超えて労働者を働かせた場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰則が科される可能性があります。

規制違反を未然に防ぐためにやるべきこと

従業員の労働時間を把握する

・残業申請制
労働者が予定外の労働時間を行う際に、その労働時間を事前に上司や組織に申請する制度です。通常、労働者が定められた労働時間を超えて働く場合には、残業申請を行う必要があります。

・サービス残業の廃止
サービス残業とは、時間外労働に対して、適切な賃金が支払われないことをいいます。これは労働基準法に反する行為です。 企業が労働者にサービス残業をさせることはもちろん、労働者が自らの意志でサービス残業をしたとしても労働基準法違反になります。

・月をまたいだ平均の勤務時間も管理する
改正により設けられた上限規制では、「複数月の残業時間の平均が80時間を超えてはならない」という規制があります。 

そのため、月ごとの残業時間を管理するだけではなく、月をまたいだ平均の勤務時間も管理する必要があります。

効率化できる業務がないか見直す

業務を進める上での、無駄な時間や非効率な作業を洗い出す必要があります。

過度なコミュニケーションや、工程の多い作業など、社内での情報共有を見直したり、業務効率化のツール導入など対策を行いましょう。

残業が発生する主な理由は「人員不足」

慢性的に残業が発生するのは、定時内に1人ではこなしきれない仕事を割り振られているから。つまり、業務量に対し社員の数が見合っていない「人員不足」の状態にあることが原因です。
人員不足を解消する最適な解決策をご紹介します。

人材の獲得に力を入れる

1人当たりの業務量が多くなっているのなら、やはり新たに人を雇わなければなりません。
中途採用なら、社会人としてある程度の実績やスキルがあり、入社後即戦力としてなってくれる人物を採用することができるでしょう。しかし、採用には求人広告費、採用サイト制作費、説明会・面接会場費など、それなりのコストと時間が必要です。

外部リソースを活用する

繁忙期に波がある場合などは、外部リソースを活用するのもおすすめです。
外部リソースとは具体的に

・フリーランス・副業人材

・外部の企業

・クラウドソーシングなどの受託企業

などがあります。
しかし、急いでいるのにすぐに外注先が見つからなかったり、費用対効果が悪くなるケースがあるので注意が必要です。

企業が外部リソースとしてギグワーカーを活用するメリット

ギグワーカーとは、ライブハウスやクラブで行う一度限りのセッションを指す言葉「gig(ギグ)」から派生して、単発の仕事を請け負う人のことをギグワーカーと呼びます。

人員不足にはギグワーカーの活用が有効です。

人件費を削減できる

ギグワーカーなら、単発のケースが多いため、選考や教育に大がかりな時間やコストをかける必要はありません。そのため、企業の負担を最小限に抑えながら人材確保が可能です。

繁忙期だけ依頼できる

ギグワーク向けのサイトは基本的に無料で登録が可能です。

企業が利用料金を支払うのは、マッチングされた場合のシステム利用料のみのため、登録だけしておいて、繁忙期の時だけ利用することも可能です。

急な人員不足に対応できる

「当日に欠員が出た」など、急な場合でもマッチングできる場合があります。このスピード感がギグワークの魅力です。

人員不足による残業を解消して社員が働きやすい環境作りを!

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