話題のライブコマースとは?その意味や日本のサービスをご紹介

2020年7月8日
話題のライブコマースとは?その意味や日本のサービスをご紹介

動画配信が世界的トレンドの今、新しい通販の形としてライブコマースが人気を集めています。
タレントやインフルエンサーによりライブ配信で商品が紹介され、視聴者はリアルタイムで質問するなどし商品を購入することができる販売サービスです。
先行する中国ではユーザー数が3億人以上に膨れ上がり、数時間で億単位を売り上げたインフルエンサーが話題になるなど、ライブコマース市場は拡大する一方です。
国内でもライブコマースや関連サービスを提供する企業の増加により、今後より一層の盛り上がりが期待できます。
今回はそんな話題のライブコマースについて意味や注目される理由、さらに日本のライブコマース事情も合わせて紹介します。

ライブコマースとは?

ライブコマースとは、文字通り「ライブ動画」と「Eコマース(ネットショップ)」を組み合わせた新しい販売手法で、一言でいうとライブ動画で商品を販売することです。視聴者はリアルタイムで質問やコメントが可能なため、ネットショッピングでありながら実店舗で買い物をするような臨場感を味わうことができます。

ライブコマースの浸透率

2016年頃から中国で始まったライブコマースですが、日本では2017年頃から複数のサービスがローンチされ国内の普及が期待されました。その反面、2019年までの2年間でサービスがローンチされる一方、撤退する企業が相次いでいるのも事実です。

しかし、2019年にマクロミルが行ったライブコマースの利用意向等の調査では、ライブコマースを使いたいと回答したのは全体の1/4となり、動画やリアルタイム性、さらに商品理解の深さについて前向きな回答が得られています。

今ライブコマースが注目される理由

2016年頃に普及し始めたライブコマースですが、2020年からなぜまた注目されているのでしょうか。その背景や情勢には、2020年における3つの理由があげられます。

ライブ配信の普及

情報源がテレビや新聞からインターネットへ移行しつつある今、世界中の幅広い世代でSNSが利用されています。そんな多くのユーザーを抱える人気SNSによって、相次いで開始されたのがライブ配信サービスやその機能強化です。

これにより、すでに多くのユーザーがライブ動画に慣れていて、以前よりもライブコマースが受け入れられやすい環境にあると言えます。

5G通信のスタート

日本では2020年の春から5G(5th Generation)がスタートし、それにより実現したのが高速、低遅延、同時多数接続です。スピードは4Gの数倍で、家庭やオフィスに引かれている光ファイバーに匹敵するとも言われています。

ゲームや動画など膨大なデータ量のものも、どこでも高速ダウンロードが可能で、こうした5Gという通信システムの進化により、一段と動画視聴のハードルが下がると予想されているでしょう。

巣ごもり消費の拡大

2020年新型コロナウイルスの感染拡大により、世界ではロックダウンや外出禁止令が発令され、現在でも様々な国や地域で不要な外出を避けるなどしています。日本でも不要不急の外出自粛の要請に、イベント中止や商業施設の営業時間短縮などがなされました。

この在宅化により生まれた新たなトレンドが、家でお金を消費する「巣ごもり消費」です。ゲームや健康器具、そして動画配信サービスなど家で過ごす時間を充実させたいというニーズが高まっています。世界中で今、Eコマース市場の売り上げ増加が顕著となり、コロナウイルスの影響で拡大する需要は想定以上です。

ライブコマースの特徴

では、実際にライブコマースを利用すると、どのような購買体験ができるのでしょうか。ライブコマースの特徴と合わせて見ていきましょう。

特徴① インタラクティブ性

従来のEコマースはインターネット上にそのまま実店舗を置くようなイメージで、商品の選定から購入までを基本的に1人で行います。

一方ライブコマースは、Eコマースにテレビショッピングとインタラクティブ性を掛け合わせたスタイルです。配信者と視聴者の双方向のやり取りにより、実店舗で買い物をするようなコミュニケーションが存在します。

文字や画像では伝えにくい情報も、インタラクティブなコミュニケーションにより手軽に伝えることが可能になります。

また、ライブ配信だから味わえる臨場感や、配信者とのやり取りが心地よければよいほど、選定から購入までの過程にワクワクや楽しさがプラスアルファされるでしょう。

特徴② インフルエンサーの存在

多くのファンやフォロワーを抱える有名タレントや、人気インフルエンサーがライブ配信することで、本来であれば商品に興味を持ちにくい層の獲得が期待できます。それは配信者によって左右されるものの、収益性やPRなど望める効果は高いと言えます。

しかし一方で、配信中に閲覧されなければ意味をなさないという課題があり、ある程度の知名度を持つ人物の選定や告知等の工夫を模索する時間が必要になってくるでしょう。

日本で展開するライブコマースの実例をご紹介!

2020年の情勢やライブコマースの持つ特徴から、新しい通販の形として注目を集めているライブコマースですが、日本では今どのように展開されているのでしょうか。ライブコマース市場に参入している企業の実例を紹介します。

【 SHOPROOM 】

「仮想ライブ空間」をキャッチコピーに、動画ストリーミングサービスを提供するSHOWROOM株式会社が運営しています。

インフルエンサーや芸能人だけでなく、アニメキャラクターや人気YouTuberなど多種多様な出演者が登場するのが特徴です。中でもアイドルの配信者が多く、商品の購入以外に商品をプレゼントする機能もあり、アイドルを応援する場としても注目を集めています。

【 RakutenLIVE 】

Eコマースを中心に、様々なインターネットサービスを展開するIT大手の楽天株式会社が運営しています。

楽天市場の出店者に限定せず多くの人々が利用できるサービスで、楽天市場や楽天ブックスなどの様々なサービスと連携されているのが特徴です。

また、ライブの配信画面から購入がスムーズにできるなど、機能面でも高い評価を得ています。連携するサービスや機能の追加など、今後もっと充実していくことが期待されるライブ配信アプリです。

【 LIVE812 】

株式会社MyStarの開発及び運営で、2020年5月にグランドオープンしたオンラインストリーミング配信アプリです。静岡県焼津市に本社を構えていることから「LIVE812(やいづ)」という名がついています。

ハンドメイド作家や農家など、様々な分野で情熱を燃やし続けている個性的なライバーが集まっているのが特徴です。普段は見れないようなその道の輝く人から、作品の良さを直接言葉で聞けるという他にない体験を提供しています。

ライブコマースに必要な機能をワンストップで提供

様々な企業が独自の強みを生かしたライブ配信アプリを提供する一方、その導入から運営をサポートするサービスやシステムを提供する企業も多くみられます。その中の一つとして紹介するのが、STARP株式会社とギグワークスアドバリュー株式会社が業務提携し、2020年4月から開始されたサービス「ワンストップパッケージ」です。

「ライブコマース _ ギグワークスアドバリュー株式会社」

導入・運営・アフターフォローまで!

ワンストップパッケージでは、導入・ライブ配信・販売活動などライブコマース導入から運営における業務支援を提供しています。

さらに、視聴者からの問い合わせ対応や受注窓口だけでなく、定期的な情報配信など受注後のアフターフォローも含まれたパッケージです。

ワンストップ体制による充実した各種サービスにより、ライブコマース実施における社内負担を軽減することができます。

日本のライブコマース市場から目が離せない

これまで、停滞する普及率に終了されるサービスが相次ぐなか、現在またライブコマースに人気が集まっています。それは、2020年における出来事や時代の変化で高まる需要によるものと言えます。

利便性やエンターテイメント性、そしてインタラクティブ性を持つ新しい通販の形に、今後より一層の盛況が期待されているでしょう。