テレワークで実現するDXとは?業務のデジタル化が鍵

2021年3月23日
テレワークで実現するDXとは?業務のデジタル化が鍵

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、大きく変化するビジネスシーンに柔軟に対応するため、ITの導入を促進するための取り組みです。

新型コロナウィルス感染症問題により、日本ではテレワークが急激に広がりました。テレワークを行うためには、書類の電子化やチャットツールの導入、申請プロセスのクラウド化など、業務のデジタル化が必要です。

また、業務を行う際に情報が漏えいしないようセキュリティに気を配ることも忘れてはいけません。

テレワークのための業務のデジタル化と、気を付けたいポイントを紹介します。

テレワーク導入で急速に進むDX

新型コロナウィルス感染症問題に伴い、テレワークが急激に広がっています。補助金などによって国も推進していますが、テレワークを行うためには仕事のデジタル化が必須であり、多くの企業が対応に追われているのが現状です。

政府が推奨するDXは、テレワークの導入により急速に促進されています。テレワークとDXについて見ていきましょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、直訳するとデジタル変換という意味になります。主にビジネスシーンでのITの導入を示しており、買い物に行くという行為をデジタルに置き換えたAmazonなどが有名な具体例として挙げられるでしょう。

経済産業省のガイドラインでは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されており、商品やサービスだけではなく、組織や業務形態も含めてIT化を推進することが求められています。

テレワーク導入によるDXとは?

テレワークを導入するには、パソコンやネットワークの整備、コミュニケーションツールの選定などが必要ですが、ただ環境を整えただけでは不十分です。

テレワークが急激に広がる中で、決裁に捺印が必要だったり、出社しなければならない業務があったりといった問題が浮き彫りになりました。

そういった問題を可視化して業務フローを見直し、可能な限りデジタル化することがテレワーク導入におけるDXといえるでしょう。

新しい生活様式によって企業に求められているテレワーク

新型コロナウィルス感染症問題により、新しい生活様式が定着しつつあります。特に企業には通勤時間の調整やオフィスでの感染対策が求められており、人との接触機会を減らすためにテレワークは非常に有効です。

感染対策として急激に広がったテレワークですが、ただ接触機会の減少のためだけではなく多様な可能性を持った働き方として、今後ますます注目されるでしょう。

具体的なデジタル化とは?

ただ単純にテレワークのためのパソコンやソフトを備えただけでは、デジタル化とは言えません。業務を行う際、導入した機器をどのように使用するかを考える必要があります。テレワークを導入するためには、まず、現在ある業務を可視化することが重要です。仕事を見える化することにより、デジタル化できるプロセスを洗い出すことができます。
では、実際テレワークのために導入するべきDXとはどのようなものなのでしょうか。

電子化・ペーパーレス化

まず最初にあげられるのは、書類の電子化・ペーパーレス化です。

紙の書類はかさばりますし、テレワークの度に持ち出していては紛失の危険も高まります。電子化することでそういった危険を防ぐだけではなく、社外にいても書類にアクセスしやすくなるため、仕事の作業効率も向上するでしょう。さらに、文書管理システムを導入することで検索性を高め、業務そのものの効率を挙げることもできます。

コミュニケーションのデジタル化

出社機会が減少するテレワークでは、円滑なコミュニケーションを取るためにコミュニケーションツールの導入も重要です。

従来から使用しているメールに加え、リアルタイムでやりとりのできるチャットツールやオンラインで会議を行うことができるツールを導入し、社員間で共有および活用することが必要でしょう。

クラウドの有効活用

テレワークでは社員同士が離れて業務を行っているため、情報の共有が重要です。各種申請や勤怠管理、経費の精算やスケジュール管理にクラウドサービスを利用している企業も増えています。

クラウド環境で申請や決裁を行うことができるようになれば、捺印をもらうために出社するという手間も減り、その分時間を有効に使うことができるでしょう。

デジタル化はセキュリティ管理に注意!

テレワークを導入するにあたって、セキュリティ面にも気を配らなければなりません。社外に機密情報を持ち出すため、漏えいのリスクも高まります。

トラブルを回避するためにも、セキュリティ意識をしっかり持つことが大切です。

どのような面に気を付ければ良いか紹介しましょう。

物理的なセキュリティ管理

仕事に使うパソコンや記憶媒体の盗難・紛失により、重要な情報が漏えいしてしまうケースがあります。会社から機器を持ち出す場合は、置き忘れや紛失に充分気を付けなければなりません。

また、企業全体でも万が一の場合を考えてパソコン自体にロックをかけたり、シンクライアント環境を整備するなどの対策を講じる必要があります。

ネットワーク環境に気を付ける

テレワークをするためにはネットワーク環境も重要です。サイバー攻撃で情報が抜かれたり、フリーWi-Fiを使っていて情報が漏えいするといったリスクを防ぐためにも、使用するネットワークにも気をつける必要があります。

暗号化されていないネットワークは使用しない、VPN接続を使用するなど、ルールをしっかり決めておくと安心です。

働く場所に気を配る

気分転換にカフェで仕事をしたい、出先で仕事をしたいなど、安全な場所以外で仕事をする場合、セキュリティに気を配る必要があります。ちょっと席を離れた隙に画面を覗かれてしまい、パスワードや会社にとって重要な情報が漏れてしまうというリスクを回避するためです。

離れるときは画面にロックをかける、プライバシーフィルターを装着するなどして画面を覗かれないよう、責任をもって管理しましょう。

デジタル化にデメリットはあるのか?

業務をデジタル化することで、テレワークが可能になり、働き方改革を推進することができます。また、多様な顧客ニーズに応えるためにもデジタル化は有効です。

テレワークによって書類のペーパーレス化やクラウドの活用といったデジタル化が進み、決まった場所で働く必要性は低くなりました。

ですが、働く場所に制限がなくなった分、同じ時間に出社して顔を合わせる機会が減り、社員同士のコミュニケーションや勤怠管理が難しいというデメリットも発生しています。

業務形態に合ったチャットツールの導入や、勤怠管理のシステム化など、オフィスで働く時と同じようにスムーズに業務が行えるツールの導入を検討する必要があるでしょう。

また、テレワークではリモートで行える業務のみに限定されてしまい、却って効率が下がるリスクもあります。そのリスクを防ぐためにも、業務フローを可視化し、無理なくデジタル化することが大切です。

テレワークがDXを促進する

新型コロナウィルス感染症問題により、急速にテレワークが広まりました。

書類の電子化やクラウド化、コミュニケーションツールの導入など、テレワークにおいてデジタルの変革を意味するDXは非常に重要な意味を持っています。

DXは、ただ業務をデジタル化するだけではありません。デジタル化により企業風土にも変化をもたらし、より多様な働き方を実現することができるでしょう。