【管理術】テレワークでサボる社員の生産性を高める方法
テレワークの導入の大きな課題の1つが、「社員のサボり防止」です。システムは導入できても、肝心の社員の生産性やモチベーションが落ちては意味がありません。
そこで、今回は、テレワークで社員の生産性を高めるコツや対策をご紹介!テレワークが会社の大きなメリットになるような施策をどんどん取り入れていきましょう!
テレワークでサボり放題を防ぐ重要な考え方
考え方1:共有と専有のバランス
テレワークツールの中には、「働いている場所がわかる」「働いている画面がわかる」「働いている時間がわかる」といった機能があります。確かに社員の行動を監視・可視化するうえでは便利ですが、これではオフィスで働いているよりも、窮屈ですよね。作業画面を常に見られることで、思いのままにアイデアをタイピングすることに対して萎縮する可能性もあります。
テレワークのサボり対策の重要な方針は、「社員と共有して、何を専有させるか」、これに尽きます。
考え方2:心理的安全性
社員の生産性を高め、組織として最大のパフォーマンスを発揮するための概念として近年注目されているのが「心理的安全性」です。
心理的安全性は「チームメンバーが安心してリスクを取り、お互いの前で弱音を吐くことができる 」環境です。思いっきり活動もできるし、弱ったときにはメンバーへそれをさらけ出すことができる環境です。
自社のテレワーク環境を心理的安全というフィルターを通して熟慮することで、適切なサボり対策を講じることに繋がります。
考え方3:ブロークンウィンドウ理論
別名「割れ窓理論」とも言われます。窓が1つでも割れていると、そこから立て続けに秩序が崩壊するという理論です。
例えば、ある郵便受けの近くの壁に落書きがあったり、付近にごみが捨ててあったりした場合、被験者がその郵便受けから5ユーロ札入りの封筒を盗む割合は25%で、郵便受けの周りがきれいだった場合の13%を2倍近く上回ったという研究結果が存在します。
1980年代にアメリカ有数の犯罪多発都市だったニューヨークが、1990年代に割れ窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化した結果、犯罪が大幅に減少したことが有名です。
このことから、各社員のテレワーク環境が割れ窓になっていないことをサポートするという発想を持つことが重要だと分かるでしょう。
テレワークで社員のサボり防ぐ対策・管理術
先程説明した「テレワークでサボり放題を防ぐ重要な考え方」をもとに、社員のサボりを防ぐ対策として、本記事では以下の5つをオススメします。
対策1:程よく「一緒にいる」という感覚を植え付ける
いわゆる「適切な一体感の創出」です。報告・連絡・相談を数多く共有すればいいわけではありません。
例えば、フリーランスのエンジニアが自らの生産性を高める策として、「モクモク会」というのがあります。オンライン上で同時接続はしているものの、会話はなく、相手の作業音や作業中に出る独り言のみ。相手が集中して作業しているという実感を得ることで、自分を自然と鼓舞することができ、作業に没頭できるのです。
作業だけで社員が個人的に間延びするのであれば、ロープレのような社員同士が混ざり合うトレーニングの時間を設けるのも良いでしょう。
対策2:仕事始めの準備の時間をルーティン化する
テレワークでありがちなのが、プライベートタイムから、いきなり仕事にスイッチオンする習慣を作ってしまうことです。上はスーツで下はパジャマでミーティングというようなワークスタイルは、割れ窓理論からすれば、生産性が下がるのも頷けるでしょう。
ですから、仕事始めの準備には必要以上に時間を掛けて良いと言えるでしょう。通勤時間もなくなりますし、実働時間を削っても社員に余裕を持って仕事始めの準備を促すことで、結果的には生産性が高まります。
フレックスではない企業であれば、「まずはデスクを掃除しよう!」といったように、掃除や準備を同じ時間に行うのも良いでしょう。
対策3:進捗や成果を時間単位で報告する
サボりというのは、どこかでメンタルが間延びして、その間延びを止められずに、ダラダラすることで、仕事に戻ることに嫌気が差すことでもあります。
そのため、1日の中で、継続的ではなく、断続的なストッパーを持っておきたいところです。その策として、11時・14時・16時といった時間帯を複数に分けた進捗や成果の報告や情報交換の機会を作るのはオススメです。
チームスポーツでも定期的にタイムを取りますよね。「断続的なストッパー」は、常時接続の策よりも威力を発揮する可能性が高いと言えるでしょう。
対策4:ハイブリッドワークを導入する
共有と専有のバランス、心理的安全性、ブロークンウィンドウ理論に通じる対策として、ハイブリッドワークの導入もオススメです。
要は、たまにリアルで集まるということです。「週1回」「1カ月に2回」といったように定期的に集まって仕事を行うことで、テレワークへのメリハリをつけることができます。オフィスがなければ、会議室などをレンタルするのも良いでしょう。
人数の規模で、部、課、係、班と集まれる単位は変わってくるでしょう。単に「オフィス出社」をテレワークとのハイブリッドにする必要はありません。イベント、合宿、研修、他社との交流など、テレワークに刺激や創造性や主体性を与えるハイブリッドの選択やアイデアは幾らでもあると言えます。
対策5:小さな積み重ねが大きな実現へ繋がると認知させる
現代の人生の価値観は、個人の幸福度を重視する傾向にあります。仕事を幸福度とどう結びつけているのかは、社員間であまりにも個人差があります。
ただし、今の仕事を一つずつ丁寧にこなすことが、各々の幸福度を直結できると腑に落ちていれば、どうでしょうか?
仕事を一生懸命行うことそのものが幸福の一部へと変わっていきます。
そのためには、まず、社員の価値観をしっかりヒアリングすることが大切です。これは、社員の心理的安全性を保持することにも繋がります。適切なコミュニケーションや感度を捉えなければ、ハラスメントと相手が認識してしまうリスクがあるので注意しましょう。
社員の価値観が理解できれば、今の仕事と幸福の達成を結び付けていきましょう。今のどのような仕事を、どのような努力で、どのように結果を出せば、理想の幸福度を得られるのか、そこを語り続けるわけです。
この考えは、ワークライフバランスを超えた、ワークライフインテグレーション(仕事と生活を統合させる考え方)を育みます。社員の満足度と会社の業績を比例させることに繋がるでしょう。
最後に:これまでの組織形成やマネジメントの常識を疑おう
テレワークには伸びしろしかない
以上、テレワークでサボる社員の生産性を高める方法、対策、管理術などをお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
今回、様々な観点で、社員の生産性やサボり防止を分析して分かったことは、問題はサボる社員そのもの以外のところにも多くあるということです。
実際に、当社では、「テレワークセンター運用サービス」を提供し、テレワークソリューションを提供するプロフェッショナルとして、様々な事情を抱えた企業様のテレワークの質の改善をお手伝いしてきました。
社員のパーソナリティーを変えるのではなく、環境、スタイル、認知、コミュニケーションを変えることで、生産性はとても高くなります。
より良いテレワーク作りの第一歩は、テレワークに関する知識を深めることにあります。
テレワークの分野では、どんな技術を導入でき、どのような変革をもたらすことができるのかを、より掘り下げて理解できれば、サボり防止だけでなく、テレワークに関わるあらゆる問題を乗り越えていくことができるようになります。
当社のテレワークソリューションの内容や、他の関連記事の内容を以下にまとめましたので、ご興味のある方は、ぜひ、テレワーク再構築の参考にしてみてください。
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